2009 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞の浸潤と転移における、新規Dishevelled関連蛋白GCF2の機能解析
Project/Area Number |
20689025
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 英郎 Tohoku University, 病院, 助教 (50451563)
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Keywords | GCF2 / LRRFIP1 / RhoA / Dishevelled |
Research Abstract |
本研究の目的は、新規dishevelled関連タンパクGCF2/LRRFIP1のRhoを介した細胞骨格、特に癌細胞の運動における働きのメカニズム、または、インテグリン等を介した細胞-細胞外基質の接着における働きを培養細胞をもちいた実験系で明らかにするとともに、癌の浸潤、転移におけるGCF2/LRRFIP1の関与の有無について動物実験モデルを使用して、明らかにすることにある。 本年度の進捗 1、GCF2の発現量を抑制することでFibronectinへの接着能が抑制された.またFibronectin刺激による細胞移動能・浸潤能が有意に抑制された.その一方細胞増殖能への関与は認めなかった. 2、GCF2の発現を抑制しても,FAK,Srcの発現及び活性化は正常に起きていることを確認した.その一方RhoAの活性化は有意に抑制され,IntegrinからのDirectなRhoA活性化機序にGCF2が関与していることが示唆された 3、免疫不全マウスへのヒト癌細胞脾静注モデルでGCF2の発現量を抑制した細胞株2種類では有意に転移形成巣の個数が減少していた.その一方個々の転移巣における腫瘍volumeに有意な差は認めなかった.これらの知見より、GCF2が癌細胞の転移に深く関与することが証明された。今後、そのメカニズムについて詳細な検討を続けていく予定である。
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