2009 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット観測に向けた最適化問題のモデル化と効率的算法の研究
Project/Area Number |
20700010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
趙 亮 Kyoto University, 情報学研究科, 講師 (90344902)
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Keywords | アルゴリズム / インターネット観測 / ビーコン配置問題 / グラフのカバー問題 / 組合せ最適化 / L-ビーコン |
Research Abstract |
インターネットの出現と発展に伴い、従来のグラフ・組合せ最適化の理論ではカバーできない問題が次々現れている。本研究は、それらの問題に対して、新たな数理モデルを構築しアルゴリズムを開発することを考える。具体的に、インターネットの観測問題を考える。巨大で自律的に変化するインターネットの状態を観測するために、一部のノード(ビーコンという)を選び、それらを観測点とし、各々の観測範囲内にあるリンクを調べさせる方法がよく用いられるが、全リンクを効率的に観測するために、ビーコンの集合とリンクの割り当てをうまく決定しなければならない。本研究は、L-ビーコン(Lが0以上の整数で、ビーコンの観測範囲の大き+C45さを示すパラメータとなる。)という概念を提案し、従来L=0,1に当たる研究の成果を踏まえ、一般のビーコン設置問題、ビーコンを設置した後の協調制御・負荷分散問題、多重設置問題を考える。Lの値とビーコン数や観測パケット転送数との関係を明らかにするとともに、シミュレーション実験などを用いて、インターネットにおける妥当で実用的なモデルと観測方法を検討する。その結果、前々年度では、大規模ネットワークを観測するためのL-ビーコンの概念とビーコンの配置場所を求める問題に対する高速なアルゴリズムSieveを提案し、高精度であることを実験で示した。昨年度では、さらにビーコン配置問題の双対問題をまとめ、元問題(及び双対問題)の最適解の範囲を確かめられるようにSieveの双対アルゴリズムDualSieveも開発した。また、多重観測や負荷平準化できるようアルゴリズムを拡張し、Lの値と観測の多重度とビーコン数間の関係を示した。
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