2010 Fiscal Year Annual Research Report
人間の触知覚特性に基づく機能性腰椎帯の設計と評価に関する研究
Project/Area Number |
20700198
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
金井 博幸 信州大学, 繊維学部, 講師 (60362109)
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Keywords | 腰椎帯 / 身体負担度評価 / 筋電図(EMG) / 心電図(ECG) / トレッドミル歩行 / 積分筋電位(iEMG) / PCI (Physiological Cost Index) / 感覚計測工学 |
Research Abstract |
本研究では,これまでに体幹部の触知覚特性に基づいて支持感・安心感を効果的に与えることを目的とした2種類の腰椎帯を試作した(平成20年度).また,試作腰椎帯の着装による身体負担の低減効果を客観的に評価することを目的として,筋電図(EMG)と身体負担の関係を基礎的に検討した.その結果,身体負担は筋電図の(1)振幅成分および(2)周波成分によって指標化できる可能性が示唆された(平成21年度). そこで本年度は,日常生活活動(ADL)において試作腰椎帯と市販の軟性腰椎帯の着装による身体負担度の違いを比較・検証することとした.検証実験は,各腰椎帯を着装し,トレッドミル上を毎時4kmの速さで歩行する5名の被験者に対して,筋電図および心電図を測定した.また歩行運動直後に腰椎帯着装に伴う心理的な負担度をSD法によって評価した.なお,筋電図の測定部位は下肢の6被験筋,心電図は胸部誘導法とした. 平成21年度の研究から,筋電図の(1)振幅成分に着目した量的評価と(2)周波数成分に着目した質的評価が有効であることの知見を得たが,検証実験では動的条件下(すなわち歩行運動時)の測定を実施したことから,(1)振幅成分のみに着目することとし,1歩行周期当たりの積分筋電位(iEMG)を導出した.また,心電図からは歩行動作に伴う生理的な消費エネルギーを得るためにPCI (Physiological Cost Index)を導出した.さらにSD法では形容語毎に評定平均点を算出した. その結果,試作腰椎帯着装時には,股関節伸展時の主働筋である大臀筋において有意な筋活動の減少が見られた.また,歩行開始から10分後までの60秒毎のPCIは,いずれも試作腰椎帯の方が小さかった.さらに評定平均点から試作腰椎帯は「脚を動かしやすく歩きやすい」と評価された.このことから,歩行運動において試作腰椎帯着装による身体負担の低減効果が確認された.
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Research Products
(3 results)