2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子間相互作用の相補性に基づく動径分布関数と自己組織化写像による酵素機能予測
Project/Area Number |
20700263
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上野 恵介 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 博士研究員 (90435983)
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Keywords | 酵素機能予測 / 動径分布関数 / 自己組織化写像 / 分子間相互作用 |
Research Abstract |
本研究では、分子間相互作用の相補性に基づく動径分布関数と自己組織化写像による酵素機能予測システムの研究開発を行う。平成20年度は、次のように研究を行った。 1. 酵素活性部位の符号化手法の開発 酸化還元酵素における分子間相互作用の相補性に基づく部分動径分布関数による符号化手法をもとに、オーファンタンパク質の機能予測に直接適用可能な酵素活性部位の符号化手法を開発するため、物理化学的性質を持つ原子記述子に基づき、酵素の活性部位の物理化学的特性を符号化する、部分動径分布関数を開発した。さらに、反応中心の検出手法を適用して、反応中心からの物理化学的特性を部分動径分布関数に符号化する手法を開発した。これにより、基質の結合状態に依らないオーファンタンパク質の機能予測に適用可能な酵素活性部位の符号化手法が得られた。 2. 自己組織化写像による酵素活性部位分類システムの開発 配列・立体構造の相同性に特化しない部分動径分布関数を、酵素機能を測る尺度とみなし、自己組織化写像による分類手法をもとに、活性部位分類システムの開発を行った。これは、機能発現のための分子間相互作用の相補性により、自己組織化写像の競合層上に、類似する触媒残基の配向に基づく物理化学的性質が近接するように分類する手法である。さらに、反応中心の検出手法を取り入れた部分動径分布関数にも拡張し、基質の結合状態に依らない酵素活性部位分類システムを構築した。 3. 酵素機能予測システムの開発 研究項目1と2で開発した酵素活性部位の符号化と自己組織化写像による酵素活性部位の分類システムをもとに、酵素機能予測システムの開発を行った。 並行して、開発・計算用サーバ(平成20年度設備費)上に、部分動径分布関数計算プログラムと反応中心検出プログラムを実装した。
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