2009 Fiscal Year Annual Research Report
癌免疫治療におけるタンパク質間相互作用解析に基づいた創薬インターフェースの開発
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20700419
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
中村 洋路 Shizuoka Cancer Center Research Institute, 免疫治療研究部, 研究員 (90463182)
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Keywords | アルゴリズム / 癌 / 蛋白質 / 免疫学 / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
平成21年度では、前年度に構築したがん・免疫データベースによって収集された論文文献情報を用いて、テキストマイニングを行った。その結果、現在までに報告されているがんに関連する免疫遺伝子の文献は、免疫治療関連の文献と血液がん関連の文献の二つに大別できることを発見した。この知見に基づいて、単語ベクトル間のマハラノビス距離によるがん・免疫関連文献の自動分類アルゴリズムを開発した。分類感度を検証したところ文献全体の約95%が正しく分類され、これによりデータベースの品質を向上させることができた。本データベースは、インターネット上で独自ドメインにて試験的に一般公開されている(http://www.scchrcigdb.jp/)。 上記と並行して、がんの免疫療法を見据えた免疫タンパク質のドッキングシミュレーションの検討を行った。がん抗原エピトープペプチドを挟んだヒト白血球型抗原(HLA)とT細胞受容体の結合アフィニティを予測することを目的として、まず始めにHLAタンパク質に対するがん抗原エピトープの結合アフィニティおよび立体配座を計算機で推定する「インシリコアッセイ系」を開発した。次に、日本人の約6割が持っているHLA-A2402アリルに着目し、アフィニティ既知のHLA-A2402拘束性抗原ペプチドセットを用いてインシリコアッセイの予測性能を検証した。検証にはROC解析を用い、米国国立衛生研究所で提供されている一般的なエピトープ予測プログラムBIMASと感度および特異度を比較した。その結果、HLA-A2402タンパク質においては、本課題で開発されたアッセイ手法はBIMASよりも優れていることが示された。現在は、がん胎児性抗原のエピトープ候補ペプチドに対してインシリコアッセイを行い、臨床応用への可能性を検討している。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Identification of melanoma antigens using a Serological Proteome Approach(SERPA).2010
Author(s)
Suzuki A, Iizuka A, Komiyama M, Takikawa M, Kume A, Tai S, Ohshita C, Kurusu A, Nakamura Y, Yamamoto A, Yamazaki N, Yoshikawa S, Kiyohara Y, Akiyama Y.
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Journal Title
Cancer Genomics Proteomics 7巻
Pages: 17-23
Peer Reviewed
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