2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の姿勢保持機能向上のための学習プログラム開発:視覚刺激への対応
Project/Area Number |
20700474
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
王 芸 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 助教 (80457275)
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Keywords | 姿勢制御 / 筋シナジー / 視覚 / 運動学習 / 筋電 / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究では、健常若年者において協調的な筋の共同運動(筋シナジー)を定量的に解析する手法を運動スキル学習へ応用することに成功した (1) Muscle-Modesの同定 : Body sway課題より得られた身体動揺の積分筋電値から63(interval)×10(muscle)の行列を作り、主成分分析を行った。第3主成分までの因子負荷量から固有値(10×3)を算出し、主成分毎にMuscle-Modeを定量化した(M1〜3)。 (2) ヤコビアン行列の算出 : M1〜3の変化量とそれに伴う足圧中心の変化量から重回帰分析によって重相関係数(ヤコビアン行列 : J)を求め、次のシナジーの定量化に用いた。 (3) UCM解析 : ヤコビアン行列からゼロ空間への線形変換により表現行列を求め、視覚刺激課題のM1〜3のそれぞれの平均から表現行列に平均なベクトルの分散値(Vucm)と直交成分の分散値(Vort)を算出し、その比率からシナジーの強弱を検討した。 その結果、フィードバック条件でVucm/Vortの値がほかの実験条件より有意に増加し、外乱前に起こる足圧中心のシフトを安定させるために、姿勢制御によってMuscle-Modesの協調性が有意に増加したことが証明された。 健常若年者における予測的姿勢制御の協調性(筋シナジー)は視覚学習トレーニングによって向上した。このことは、健常高齢者においても同様に、予測的姿勢制御の協調性を向上させ得ることが考えられる。これらの成果により、筋シナジーを手がかりとした運動スキル学習において、視覚刺激を伴う高齢者の姿勢変化の訓練効果として期待される。
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Research Products
(7 results)