2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700526
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
山岡 雅子 Prefectural University of Hiroshima, 人間文化学部, 助教 (30336911)
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Keywords | 運動後低血圧 / 中心循環応答 / 頸動脈圧受容器 |
Research Abstract |
動的運動を長時間行うと,運動後に血圧が運動前の値より1時間以上にわたって低下する現象(PEH)が認められる.短期的な血圧調節には動脈圧反射が関与するが,PEH時におけるその機能特性は必ずしも明らかにされていない.本研究はPEHの生理的メカニズムを解明することを課題としており,2年目はPEH時における頸動脈圧反射機能特性について,中心循環応答を中心に検討した.被験者は仰臥位で30分の安静の後,立位で自転車運動を60分行い,再び仰臥位で60分の安静を保った.運動前と運動後に可変圧ネックチャンバーによって頸動脈圧受容器を刺激(+40,0,-40,-60torr)しながら,心拍数,平均血圧,一回拍出量,心拍出量および総末梢血管コンダクタンスを測定した.被験者16名のうち8名ではPEHがみられたが,残り8名ではみられなかった.そこで,それぞれをRE群,non-RE群に分けて解析をした.圧受容器刺激時における中心循環応答の変化量は,RE群では運動前後で変わらなかったが,non-RE群では-40torrで刺激した時,心拍数および平均血圧が運動後に有意に増加した.また,総末梢血管コンダクタンスにおいても,-40torr刺激に対する応答が運動後において増加する傾向(p=0.06)が認められた.このことから,PEHがみられない被験者(non-RE群)は,運動後に頸動脈圧受容器を介した中心循環応答の感受性が亢進する可能性が示唆された.
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