2010 Fiscal Year Annual Research Report
食品因子によるメタボリック症候群の発症制御に果たす体内時計の役割
Project/Area Number |
20700595
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
福村 智恵 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 講師 (80336792)
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Keywords | 食品因子 / メタボリック症候群 / 体内時計 |
Research Abstract |
本研究は、体内時計の破綻によるメタボリック症候群発症の分子機構を明確にすることを目的として、メタボリック症候群モデル動物を用い、1)メタボリック症候群の進展に伴って時計遺伝子がどのように変化するか、2)日照サイクルを変化させる、あるいは日照サイクルを無くすと時計遺伝子と栄養代謝遺伝子がどのように変化するか、3)日照サイクルを無くした条件下で、摂食パターンを変化させると時計遺伝子と栄養代謝遺伝子がどのように変化するか、について検討を行った。まず、メタボリック症候群の進展に伴う変化について検討した結果、加齢に伴いメタボリック症候群モデル動物の血清の脂質レベルが上昇する傾向がみられ、正常対照動物に対し有意に高値を示したが、明確な概日リズムはみられなかった。視交叉上核の時計遺伝子(ClK、Bmal1、Per、Cry等)の発現量を検討した結果、時計遺伝子ClKの発現量は正常対照動物で暗期に発現が高くなるリズムがあったが、メタボリック症候群モデル動物では振動が見られず、ほぼ一定のリズムを示すなど、メタボリック症候群と正常対照動物との間に相違がみられた。また、日照サイクルの変化や摂食パターンの変化による変動を示す遺伝子も見られた。これら様々な条件下で得られた解析結果をデータシートにまとめ、それぞれの条件下で特徴的な変動を示す遺伝子、及びいくつかの条件下で共通した変動を示した遺伝子を整理した。その中で、メタボリック症候群の進展において関連が深いと考えられる時計遺伝子、栄養代謝関連遺伝子を拾い上げ、タンパク質の発現レベルの解析を行った。
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