2008 Fiscal Year Annual Research Report
サブメソスケールで起こる黒潮続流域の栄養塩供給メカニズムの解明と定量
Project/Area Number |
20710002
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
長井 健容 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 助教 (90452044)
|
Keywords | フロント / 乱流混合 / Frontogenesis / マイクロストラクチャー / サブダクション / 黒潮前線 / サブメソスケール / 湧昇 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度から実施している既存の現場観測データの整理と、毎年行っている黒潮続流横断観測を実施した。データ整理の結果は今後論文その他にまとめて、国内外の雑誌に投稿予定である。黒潮続流観測の結果、黒潮流軸付近の水温躍層内部で比較的強い乱流混合を観測することに成功した。従来、フロントジェット流軸付近のシア流が直接乱流に結びつくことはないと考えられていた為、本観測によって観測された流軸付近の乱流混合は、メソスケールから直接エネルギーを熱に散逸する過程がフロント強化時に存在することを立証する有力な証拠となり得る。本研究結果は、Geophysical Research Letterに投稿中である。また、France Niceで開催されたASLO Aquatic Sciences Meetingにて口頭発表を行った他、日本海洋学会春季大会においても口頭発表を行った。 さらに、上記の現場観測主体の研究に加えて、黒潮流域の数値シミュレーションを試みている。本シミュレーションによって水平8kmの解像度で再現しうる渦場や、平均的な黒潮の流路などは良く再現された。今後は本シミュレーションをサブメソスケールの現象解像を目指してさらに高解像度化し、黒潮流域現場観測データのより理論的な解析に用いることができると考える。このシミュレーション結果と観測結果を合わせてUK-FoSシンポジウムにてポスター発表を行った。
|
Research Products
(5 results)