2009 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的処理法を用いた尿中医薬品の発生源処理法の開発
Project/Area Number |
20710064
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
柿本 貴志 Center for Environmental Science in Saitama, 水環境担当, 技師 (00462747)
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Keywords | 医薬品 / 電解処理 / 分子量分画 / 疎水・親水分画 / 尿酸 |
Research Abstract |
医薬品は摂取されると主に尿中に排泄され下水処理場へ導かれるが、水中から十分に除去されず環境中に排出されている。このような医薬品による人や生態系へ対する影響が危惧されはじめ、医薬品の環境中への排出量を削減するべく、下水処理手法の検討が行われている。医薬品の濃度に着目すると下水中で数ng/L~数μg/Lのものが、尿中では数mg/L~数g/L程度で存在し、下水に比べると水量も少ないため、環境中への医薬品排出を管理するには尿中に存在する医薬品を(特に固定発生源で)処理することも効率的であると考えられる。 本研究では上述の課題へ直接電解酸化法を適用することについて検討しており、本法は医薬品を高効率で処理する能力を有するが、尿の成分により処理が妨害され処理速度が低下することが分かっている。また、妨害する原因物質は分子量3kDa以下の成分で、特に尿酸が強い妨害影響を持っていることが示唆された。 平成21年度は、尿成分をカラムによって分画し、各々の各分に微分パルスボルタンメトリーを行い、主要な妨害成分が尿酸であることを確認した。次いで電解処理後の医薬品(抗生物質)が抗菌作用を失っていることを抗菌活性試験により確かめた。[よって、処理の妨害成分である尿酸の前処理に関する知見を得ることで、医薬の電解外木間法は有用な手法になりえると考えられた。 そこで尿酸の前処理として本研究では尿を、(1)ばっ気、(2)糞便添加+ばっ気、(3)アリカーゼ+ばっ気の3つの条件で処理し、尿酸濃度のモニタリングを行った。その結果、(1)を除いて尿酸を除去することができ、尿酸を前処理で除ける可能性が示された。しかし、前処理過程において、尿酸濃度は単純に減少せず、尿酸の前処理過程において、尿酸の前駆物質からの尿酸の生成と尿酸の分解が同時進行していたことが推察された。よって尿酸の前処理過程にける尿酸濃度の変動因子を明確にすることが課題である。
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Research Products
(1 results)