2009 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物細胞における翻訳後修飾を受けた転写制御因子結合部位の網羅的解析法の確立
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20710150
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
窪崎 敦隆 The Institute of Physical and Chemical Research, LSAシステム構築ユニット, 研究員 (30425673)
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Keywords | ChIP-chip / 転写因子 / ユビキチン様蛋白質 |
Research Abstract |
本研究では、蛋白質翻訳後修飾としてユビキチン様蛋白質SUMO1、SUMO2、SUMO3、NEDD8、ISG15に着目し、ヒト単芽球様細胞株THP-1細胞のホルボールエステルによる細胞分化を実験モデルとして解析を進めた。まず、それらのユビキチン様蛋白質の発現を特異的に阻害出来るsiRNAを設計し、THP-1細胞に導入したが、細胞の状態および形態に大きな変化は認められなかった。一方、ISG15に対するsiRNAを導入後ホルボールエステルによってTHP-1細胞を単球様細胞へ分化を誘導すると48時間で多くの死細胞が観察されたが、他のユビキチン様蛋白質のsiRNAでは同様な変化は観察されなかった。THP-1細胞の分化誘導時のISGI5の発現変動を確認したところ、8~10時間をピークに発現の上昇が観察された。これらのことからISG15がTHP-1細胞分化時に重要な働きをしていると考えられた。ISGI5の発現を制御している転写因子を検討する為に、ISGI5遺伝子のプロモーター領域の配列を観察したところ、インターフェロン刺激応答配列があることを見いだした。qRT-PCRの結果からTHP-1細胞ではインターフェロン刺激応答配列に結合出来る9種類のIRFファミリーのうち、IRF8が有為に発現していることが分かった。そこでTHP-1細胞においてIRF8が結合して発現制御に重要な働きをしている領域を網羅的に特定する為に、IRF8発現阻害による変動転写産物の網羅解析およびIRF8抗体を用いたChIP-chip解析を行った。その結果、84種類の遺伝子の発現がIRF8によって制御されていること、IRF8がIsGl5遺伝子プロモーター領域に結合し、ISGI5の発現制御に重要な働きをしていることを明らかにした。
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[Presentation] The combination of ChIP-chip and gene perturbation assay reveals high confidence target genes for ICSBP and PU.1 in THP-1 cells2009
Author(s)
Kubosaki, A., Tagami, M., Tomaru, Y., Simon, C., Suzuki, M., Suzuki, H., Hayashizaki, Y
Organizer
第32回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2009-12-12