2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語における実践的コミュニケーション能力のモデル化
Project/Area Number |
20720162
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
和泉 絵美 National Institute of Information and Communications Technology, 知識創成コミュニケーション研究センター 言語基盤グループ, 短時間研究員 (80450691)
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Keywords | 学習者コーパス / 第二言語習得 / タグ付与 |
Research Abstract |
1. 日本人英語データへ「通じやすさ」情報を付与する(100ファイル) 日本語を母語とする英語学習者の英語発話を書き起こしたデータに対し、各文の通じやすさの度合いについて、英語母語話者による判定を行った。申請時には、"intelligible"、"unclear"、"unintelligible"の3段階での判定の予定であったが、さらに詳細な分析を実施するために各段階を更に2段階に細分化し、全体で6段階の評価を行った。 2. エラータグを付与する(100ファイル) 1のデータ内の語彙エラーに対してタグ付与を行った。 3. 語彙誤りの内容による通じやすさへの影響度の違いを検証 2. のデータに関し、学習者の語彙運用において深い語彙知識がどのように作用しているのか分析した。どのような語彙知識が不足、または正しく運用(認知)されなかったために誤りが生じたのか、一つ一つの誤りの原因を推測し、その結果と発話の通じやすさのレベルおよび発話者の英語運用能力レベルとの相関を調査した。その結果、単語の概念に関する知識の不足、または不適切な運用が発話の通じやすさを減じる最も大きな原因であることがわかった。英語能力レベルとの関係の分析においては、英語習得の各ステージにおいて特定の語彙知識が伸びを見せるということは示唆されなかった。しかし英語運用能力レベルが上がるごとに誤りの全体の頻度は下がることは確認されているため、語彙知識が全体で底上げされていくイメージを描くことができた。 4. エラータグ自動付与プログラムの作成 申請時にはなかった項目であるが、2の人手でのエラータグ付与の負担を軽減することを目的として、タグ自動付与プログラムの作成を行った。まだ全体の処理過程の一部のみのため、完成は平成21年度に持ち越される。
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