2009 Fiscal Year Annual Research Report
明朝朝貢体制下の入貢地から見た地域間交流の基礎的研究
Project/Area Number |
20720192
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
岡本 弘道 Kansai University, 文化交渉学教育研究拠点, 研究員 (70469237)
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Keywords | 東洋史 / 東アジア史 / 地域間交流 / 朝貢 |
Research Abstract |
本年度は3年間の研究計画の2年目であり、昨年度に引き続き研究のための基盤整備と基本的な情報収集に重点を置いて調査を行った。まず「A.各入貢地に即した文献資料の搜索・整理と相互比較」については、文献資料の搜索・整理作業をさに進めるとともに、第12回中琉歴史関係国際学術会議において、明朝前期~中期における琉球の複数入貢地の並立状熊を中心にした研究発表を行った。次いで、「B.各入貢地における現地調査」についでけ、2009年9月16日~24日に甘粛省(蘭州市)・陝西省(西安市)の現地調査を、また2010年2月5日~18日に四川省(成都市・天全県)・広四壮族自冶凶(南寧市・憑祥市)の現地調査をそれぞれ行った。いずれも西域諸国およひ土司の入貢ルートにおいて重要な地点であり、関連史跡及びそその地理的特徴と現状を興味深く観察することができた。当初の計画では新彊ウイグル族自治区のハミ・トルファンの調査を盛り込む予定であつたが、政情不安のため実現しなかったのは残念である。また、蘭州・西安でけ現地の研究者を訪問し、多くの知見を得た。「C.『明実録』に基づく網羅的な朝貢事例表の作成」については、なお予備作業の段階ではめるか、データベース作成における技術的問題もほぼ解決の見通しか立ち、次年度の早い段階にイングーネット上での部分公開が実現する見通しである。本年度の本研究課題にかかる研究成果としては、単著の研究書1冊・研究論文1本・学会発表4件を残すことができた。
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