2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20730050
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
野澤 充 Kanagawa University, 法学部, 准教授 (70386811)
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Keywords | 被害者保護 / 中止犯 / 中止未遂 / 刑法 |
Research Abstract |
5月に日本刑法学会全国大会において「中止犯の理論的構造について」という題名で個別報告を行った。この中で、立法論としての「行為による悔悟」制度の有効性について示唆し、日本法においてももっと検討されるべきである旨を主張した。また当該報告については、刑法雑誌にその内容が掲載された。 また2010年3月には、「予備罪の中止について-予備罪に対する中止犯規定の類推適用の可否」を立命館法学に掲載した。これは従来、解釈論の枠内で刑罰のバランス論的にのみ解決される傾向の強かった「予備罪の中止」という論点に関し、中止犯の制度趣旨からして解釈論の枠内での解決は不可能であり、立法論として「行為による悔悟」制度によるべきであるとの主張を行うものである。これにより、「行為による悔悟」制度がやはり日本においてもまさに必要とされつつある制度であることが示された。 さらに刑法総論の教科書の分担執筆において中止犯の部分を担当し、その中で「行為による悔悟」制度の将来性について触れた。
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