2009 Fiscal Year Annual Research Report
組織間学習の活性化を視点とした系列ネットワークの機能及び構造特性の産業間比較
Project/Area Number |
20730248
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
秋山 高志 Fukushima University, 経済経営学類, 准教授 (80457283)
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Keywords | 組織間関係 / ネットワーク / 企業グループ / 系列 / ネットワークへの埋め込み / 組織学習 / 知識創造 / 生産管理 |
Research Abstract |
平成21年度は、住宅業界に対象を絞り、定量的分析と定性的分析を実施した。 定量的分析に関しては、住宅メーカーの組織間学習を活性化させる要因を、組織間関係の構造であるネットワークの構造特性、組織間関係の質である組織間信頼、組織間関係において学習を推進するリーダーシップというネットワークの三つの側面から検討した。その結果、組織間の凝集性が直接的に、さらに、組織間の関係的信頼や変革的リーダーシップを媒介して間接的に、組織間学習を促進していた。特に、組織間信頼という組織間関係の質、コンテクストは、組織間学習を活性化させるばかりか、組織間ネットワークに所属する個々の組織の組織内学習も活性化させていることが明らかになった。これは、建設業界の組織間学習が低迷している原因が組織間ネットワークの構造よりもむしろ組織間関係のコンテクストにあるという、前年度の研究によって明らかになった事実と整合するものである。 また、定性的分析に関しては、住宅メーカーの環境志向経営の確立過程を分析し、その際、変革推進者が果たす役割モデルを検討した。結果、彼らは、一部の現場において萌芽した改善、変革のアイデアを、組織間のコミュニケーション・ネットワークを改変することで中核企業に伝達し、さらに、組織間ネットワークの全体に伝搬させるという役割を担っていた。 以上の内容は、秋山高志『企業グループのネットワークと学習』京都大学大学院博士論文,2010年、及びAkiyama, Takashi "CSR and Inter-organisational Network Management of Corporate Groups,Asian Business and Management,vol.9, no.2, 2010, pp.223-243.にて発表済みである。
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Research Products
(3 results)