2008 Fiscal Year Annual Research Report
記憶とその映像をめぐる日韓の解釈に関する社会学的考察
Project/Area Number |
20730342
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
梁 仁實 Ritsumeikan University, 経営学部, 講師 (20464589)
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Keywords | 日韓 / 映像 / ジェンダー / 植民地 / 朝鮮 / エスニシティ / 女性 |
Research Abstract |
本研究は日韓の映像メディアにおいて植民地時代を経験し、そのあとの戦後を生きていた実存人物を映像にしたものがどのように受け入れられ、どのように描かれてきたのかを社会学的に考察するためのものである。今、日韓では生存しているその経験者たちが少なくなりつつあるため、こうした実例に対する聞き取り調査や研究が活発に行われている。本研究の初年度にあたる2008年度には主にこのような研究調査の研究成果をまとめた関連文献を購入し、韓国の映像資料院などで映像の収集および閲覧をするとともに、途中までの研究成果を7月に学会で公開した。この学会発表では、日本のNHKが放送したドラマ『海峡』を中心に、戦前植民地朝鮮で生きていた人々が戦後日本に戻ってきてからその記憶がどのように変容する/しないのかについて検討し、最近韓国の映像メディアでも流行り出している植民地の記憶の再解釈という問題との比較考察を行った。またこの発表では、植民地の過去を記憶する主体として女性が登場し、被植民者との恋愛関係が必ず出てくることに注目し、ジェンダーと女性をキーワードとする研究を中間まとめした。そのなかで2008年度には台湾においても植民地時代に生きていた実存人物を映像化したものが流行し、台湾国内や日韓で話題を呼んでいることがわかり、台湾にも研究調査をいってきた。戦後60年が過ぎた現在、東アジアの三国の映像メディアがなぜ同様のテーマを扱っているのかについて注目しながら、これからの研究を進めていきたい。
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Research Products
(2 results)