2008 Fiscal Year Annual Research Report
終末期ケアにおけるソーシャルワーカーの役割に関する研究
Project/Area Number |
20730377
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
佐藤 繭美 Hosei University, 現代福祉学部, (専任)講師 (90407057)
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Keywords | ソーシャルワーク / 終末期ケア / ソーシャルワーカー / 役割意識 / 援助姿勢 / 死生観 / 社会福祉専門職教育 |
Research Abstract |
わが国では高齢化の進展に伴い、医療・看護の分野を中心に終末期ケアのあり方について検討が行われている。2006年の介護保険制度の改正により、介護老人福祉施設におけるターミナルケア実施の報酬加算などが明文化され、社会福祉分野でも終末期ケアのあり方について検討することが求められつつある。しかしながら、実態として看取りや終末期ケアの実践は行われつつあるものの、社会福祉専門職者が看取りを行うことまでその役割として認識しているかは明らかとなっていない。その背景として、社会福祉専門教育のなかで、終末期ケアのあり方や、死生観を育成するプログラムなどは皆無であり、実態と現実の乖離が生じていることが推測されるのである。そこで、本研究では、ソーシャルワーカーが当事者の終末期においてどのような役割を担っているのか、また、その役割意識、援助姿勢、死生観について明らかにすることを目的とした。今年度は、文献調査およびフィールド調査を中心に、アンケート・及びグループインタビュー調査の実施に向けて予備的調査を実施した。先行研究の整理として、ソーシャルワーカーの立場から終末期ケアについて言及した先行研究はわずかであり、ソーシャルワーカーの固有性、認知度が脆弱であることは否めない。また、ソーシャルワーカーが当事者の終末期ケアを担うことへの認識が明確になっていない現状が影響していることが明らかとなった。こうした点を踏まえ、医療ソーシャルワーカー、社会福祉施設に勤務する社会福祉士等に予備的調査を実施し、アンケート調査項目、およびグループインタビュー調査項目を決定、調査票の配布を実施する段階である。今後は、調査結果を踏まえたうえで、終末期ケアにおけるソーシャルワーカーの役割を検討していく予定である。
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