2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域・社会連携と大学教員エートスの多様化およびその変容に関する実証的研究
Project/Area Number |
20730528
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
稲永 由紀 University of Tsukuba, 大学院・ビジネス科学研究科, 講師 (80315027)
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Keywords | 地域連携 / 社会連携 / アカデミア / エートス / 大学 / 高等教育 / 地域貢献 / 大学教員 |
Research Abstract |
今年度はまず、本研究課題の基礎的な分析として、大学および大学教員のエートスに関わる先行文献研究を実施した。具体的には、大学教員および大学教授職の研究、学術(academic)およびアカデミア(academia)については豊富な研究蓄積があるため、まずそれら先行研究を対象に、地域・社会連携に関わる関連諸概念との関係で、歴史・文化的に何が大学教員エートスとして強調あるいは前提とされてきたのか、それは変容したのかについて基礎的分析をおこなった。この分析は現在とりまとめの最終段階に入っているが、大学あるいはアカデミア、アカデミックという言葉が含意するものは、時代や社会の流れあるいは国の違いにかかわらず、共通要素を含みつつも一定ではない、という当初の仮説はおおよそ支持される見込である。 次に、今年度後半には、本研究課題の主要部分である、大学教員を対象とした地域・社会との連携・交流に関する質問紙調査について、主として調査設計および調査システム構築に着手した。本調査は、地域・社会との連携・交流実態と同時に、ここ10年ほどの我が国における大学と地域・社会との連携強化への「外圧」および政策誘導に伴って進んだと想定される大学教員エートスの多様化について把握することが目的である。そのため、調査票の内容および調査対象の一部は、12年前に実施した同様の教員調査(「国立大学と地域社会との交流に関する調査」)と比較可能な設計にしてある。したがって、学術調査でもあると同時に政策評価としての性格も持ち合わせている。
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