2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740154
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
横山 和枝 High Energy Accelerator Research Organization, 加速器研究施設, 助教 (70391711)
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Keywords | 加速器 / 高周波 / 高電界 / 真空放電 / 銅 / ステンレス |
Research Abstract |
本研究の目的は、X-bandで得られる高電界を利用した陽電子ビームのエネルギー広がりを均一化するシステムを開発するための基礎研究である。高電界で安定したビーム加速を実現するためには、放電の少ない加速管製作の確立が必要となる。その基礎研究として、材料や加工方法・洗浄処理などが金属表面が高電界に曝されたときの放電特性にどのような差異があるのかを調べた。電極間にDC高電圧をかけて表面のプロセシングをした後に、放電頻度を測定し、多くの金属に対して耐放電特性の系統的評価を進めたりして研究している例はあるが、実際の加速器に近いRF下で多くの材料に対して放電特性を評価した例はない。本研究で使用した試験供試体(狭導波管と呼ぶ)は、シンプルな構造の導波管であるが、50MWのRF入力で150MV/mのRF高電界を発生させることができる。複雑な形状の加速管を用いるよりも放電抑制に有効な材質や表面処理などの研究を効率よく行うことがでる。 平成21年度に確立した放電観測・解析のシステム系を使用して、銅製とステンレス製狭導波管の高電界試験が完了した。同じ電界強度とパルス幅で比較すれば、銅の放電頻度の方がステンレスより大きいことがわかった。また、試験方法などが確立したため、今後、多くの金属に対して耐放電特性の系統的評価をすることが可能である。2009年5月4日~8日にバンクーバー(カナダ)で開催されたParticle Accelerator Conferenceで「High-gradient RF breakdown studies with narrow waveguide」というタイトルで、これまでの研究成果についての発表を行った。
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