2009 Fiscal Year Annual Research Report
中性子過剰な炭素同位体の集団性及び陽子魔法数の出現
Project/Area Number |
20740163
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
王 惠仁 Osaka University, 核物理研究センター, 特任助教 (80462670)
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Keywords | 中性子過剰核 / 四重極集団性 / 魔法数 / 荷電変化断面積 |
Research Abstract |
平成21年度に研究代表者らは炭素同位体及び周辺の原子核の荷電半径を調べるために、^<7,9,11>Li、^<9,10,11,12,14>Be、^<11,12,13,14,15>B、^<12,14,15,16,17>Cの荷電変化断面積(英語ではcharge-changing crosssectionであり、以降CCCSと略す)を測定した。安定核近傍では、陽子・陽子または中性子・中性子よりも、陽子・中性子間の相互作用が強いため、原子核内の陽子と中性子はほぼ同じ四重極集団性を示すことが常識とされていた。ところが、我々が行った先行実験から、^<16,18>CのB(E2)が異常に小さく、陽子の四重極集団運動への寄与が異常に小さいという従来の常識に反する結果が得られた。^<16,18>CのB(E2)異常の解釈として、新しい陽子"魔法数"Z=6の出現が挙げられるが、これを確かめるために、炭素同位体及びその周辺の原子核の荷電半径を決定することが有効である。 CCCS測定による荷電半径は実験学的にも重要である。これまで、不安定核の荷電半径の測定法としてアイソトープ・シフト測定法が用いられて来たが、荷電半径を決定する際に理論情報として必要なマス・シフトの計算精度の限界のため、この手法はZ≦4及びZ≧11の原子核にしか適用できない。CCCSによる実験手法が確立されれば、5≦Z≦10の原子核に限らず、人工的に生成しにくく、アイソトープ・シフト測定法では測定が困難な不安定核でも荷電半径の決定が可能になる。 研究代表者は平成22年3月に日本物理学会第65回年次大会にてCCCS測定について発表し、理論及び実験の研究者から前向きな反応を得た。
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Research Products
(10 results)