2008 Fiscal Year Annual Research Report
量子絡み合いと幾何学的位相による密度行列繰り込み群の新展開
Project/Area Number |
20740214
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
丸山 勲 Osaka University, 基礎工学研究科, 特任助教 (20422339)
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Keywords | 密度行列繰りこみ群 / 幾何学的位相 / 量子絡み合い |
Research Abstract |
本年度の研究成果として出版した二つの論文は、四体リング交換相互作用をもつスピン1/2の梯子系に、本研究のキーワードの一つである幾何学的位相を用いた相分類の手法を適用したものである。本研究成果の重要な結論の一つは、幾何学的位相(ここでは量子化ベリー位相)を用いることにより、今まで知られていたスピンシングレットだけでなく、四体リング交換相互作用を反映したプラケットシングレットを検出することが可能となったことである。これにより、四体リング交換相互作用の持つフラストレーションから来る多彩な相のうちの一つであるdominant vector chirality(DVC)相を特徴づけることが可能となった。本研究のもうひとつのキーワードである量子絡み合い(特にエンタングルメントエントロピー)は、ダイマー系におけるスピンシングレットと対応関係があることが知られているが、これがDVC相におけるプラケットシングレットとどのような対応関係になっているか? という新たな問題に対して一定の知見を得た。現在投稿中である。また、これらの研究からスピン1/2の梯子系には境界に依存したエッジ状態が存在することがわかった。このエッジ状態は密度行列繰りこみ群により研究することが可能であり、現在プログラムが完成し、エッジ状態の境界依存性について研究を進めている。本研究の特色である、幾何学的位相、量子絡み合い、密度行列繰りこみ群という三つのキーワードを交えた研究はスピン1/2の梯子系という模型に特に意義深いものとなっている事がわかった。
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Research Products
(3 results)