2008 Fiscal Year Annual Research Report
オキシインドール骨格を構築する触媒的環化反応の開発
Project/Area Number |
20750078
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 智也 Kyoto University, 工学研究科, 講師 (10378804)
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Keywords | 有機合成化学 / 触媒反応 / 環化反応 / オキシインドール / アリールボロン酸 / ジボロン / ロジウム / 抗癌薬 |
Research Abstract |
1. 触媒量の[Rh(OH)(cod)]2存在下で、2-(アルキニル)フェニルイソシアナートにアリールボロン酸をテトラヒドロフラン溶媒中室温で作用させたところ、アリール基が環外二重結合部位に導入された3-アルキリデンオキシインドールが立体選択的に得られた。まず、アリールロジウム種と基質が酸化的環化を経てロダサイクル中間体となり、還元的脱離、プロトン化を経て3-アルキリデンオキシインドールに至ると考えている。 2. 触媒量の[Rh(cod)2]SbF6存在下で、2-(アルキニル)フェニルイソシアナートにビス(ピナコラート)ジボロンを1, 2-ジクロロエタン溶媒中80℃で作用させたところ、ボリル基が環外二重結合部位に導入された3-アルキリデンオキシインドールが立体選択的に得られた。まず、ロジウムカチオン種と基質1が酸化的環化を経てロダサイクル中間体となり、トランスメタル化、還元的脱離を経て3-アルキリデンオキシインドールに至ると考えている。 以上のように、ロジウム触媒を用いて環外二重結合部位にアリール基やボリル基を持つ3-アルキリデンオキシインドールを立体選択的に合成する方法を見出した。本合成法は入手容易な原料(対応するアミンにトリホスゲンを作用させると高収率で得られる)を用い、効率的に多様な3-アルキリデンオキシインドールを合成できるため、これらの研究成果は医薬品、とりわけ抗癌薬の開発研究に役立つと期待できる。
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