2008 Fiscal Year Annual Research Report
高温水中多層皮膜の選択的その場計測に基づく固液流動界面反応場の同定
Project/Area Number |
20760060
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹田 陽一 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (40374970)
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Keywords | 応力腐食割れ / 電気化学 / 酸化 / 軽水炉 |
Research Abstract |
発電用軽水炉プラント模擬環境中において形成される多層皮膜について、動的ひずみ付加下での各界面における内物質移動挙動に着目した酸化皮膜の電気化学的特性づけを行うことにより、軽水炉発電プラントにて経年劣化現象の代表である応力腐食割れ機構の解明を推進した。 高温水中で動的ひずみを付加しながら接触電気抵抗ならびに電気化学インピーダンスの計測の連続計測を新たに選択電極を試作した。選択電極は電極内に同軸の二つの導電体(高温水中で酸化しない貴金属)が絶縁体を介して配置されており、試験片-内導電体-外導電体に対し周波数応答アナライザおよびポテンショスタットの接続法を変更することにより、多層構造皮膜の選択的計測を可能にしようとするものである。まず選択電極単体での高温水中での周波数応答を計測し、既存の均質型電極にて得られている皮膜からのインピーダンスに比べて小さいことを確認し、皮膜インピーダンスの計測が可能であることの見込みを得た。 供試材を316Lステンレス鋼とし、特に電位依存性に着目するため、純水環境下にて溶存酸素ならびに溶存水素を調整した環境での評価に着手した。試験片表面との距離、電極印可電圧、積分時間等の計測条件を最適化し、インピーダンス軌跡が再現性を得られる条件を決定した。 選択電極により得られたインピーダンス軌跡に対して、皮膜内点欠陥を想定したPoint Defect Modelを基にした解析を一部実施した。試験片負荷部および無負荷部の同時計測を実施するが、試験片の別位置においても類似のインピーダンス軌跡が得られることを確認し、応力負荷の有無による比較が可能であることを示した。
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