2008 Fiscal Year Annual Research Report
単方向音源とロバスト制御に基づく換気システムダクトの能動騒音制御装置の開発
Project/Area Number |
20760276
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小林 泰秀 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (50272860)
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Keywords | 能動騒音制御 / ロバスト制御 / 単方向制御音源 / 換気システム |
Research Abstract |
(1)実験用ダクトを用いた単方向音源の性能比較 : 騒音源にスピーカを用いた実験用の単純なダクト系を用いて、単音源からなる単方向音源(提案方式)を構成し、単音源のみを用いた双方向音源(従来方式1)、二音源からなる単方向音源(従来方式2)と性能を比較した。背面音を合成させるためのサブダクトの長さは理論的な見積もりより長めに調節した方が、制御音源をインパルス駆動した際のリファレンスマイクの応答における時間遅れを長くできることがわかった。次に、上記三つの方式を統一的に表す物理モデルを導出し、その周波数応答を周波数応答実験の結果と比較した。その結果、従来方式1, 2では概略一致したが、提案手法では特にフィードバックパスの位相遅れが期待よりも小さかった。ただし、制御系設計・制御実験を行った結果、従来方式1と同等の外乱抑制性能を、より小さな振幅の制御入力で達成できた。このことは背面音を利用することの可能性を示唆している。この結果は、21年7月にポーランドで開催される国際会議ICSV16で報告予定である。 (2)換気システムを用いた性能検証 : 換気システムに分岐のないフレキシブルダクトを接続して単純なダクト系を構成した。性能検証の準備として、各種の状況におけるダクト内の風量を計測した(強/弱運転、熱交換換気/普通換気、通常ダクト/消音ダクト)。その結果、これらのパラメータが風量に与える影響は1%程度であり、風量が制御対象に与える影響は大きくないと考えられる。 (3)従来方式の制御性能の理論解析 : 物理モデルに基づき、完全外乱除去を行う仮想的補償器を構成し、従来方式1に対する従来方式2の利点を検討した。従来方式2の方が、ゲインの低い補償器が得られることを示した。この結果を国際会議ICSV15及び制御理論シンポジウムで発表した。
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Research Products
(2 results)