2008 Fiscal Year Annual Research Report
歩行、小走りを模擬した衝撃源の開発と界床の快適居住性能の評価に関する研究
Project/Area Number |
20760397
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Research Institution | Kobayasi Institute of Physical Research |
Principal Investigator |
中森 俊介 Kobayasi Institute of Physical Research, 建築音響研究室, 研究員 (70342665)
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Keywords | 建築環境設備 / 人間生活環境 / 床衝撃音 / 生活騒音 / 居住性能 |
Research Abstract |
近年集合住宅等で問題とされている床衝撃音の発生源は、歩行、小走りといった比較的小さい力で衝撃されるものであり、室内の音圧レベルが低下したために顕在化されたものである。住宅の床は居住空間の一部であることから、歩行感などの生活実感との総合的な床の評価を目的としたため、当初、この衝撃装置は実衝撃と衝撃時間まで合わせようと回転加圧方式を考案した。その場合、床から反力をとるため装置自体に大きな質量が必要となり、取り回しが容易でなくなるため、落下方式とし、可聴領域(20Hz〜)の力の特性を対応させることを優先的に考えた。そこで、衝撃部となるゴムと質量(鉄)からなる衝撃源を試作した。ゴムの形状はかかと衝撃を基本とした曲率および接触面積(R=100,φ=50mm )とし、ゴム硬度、質量の関係性を繰り返し検討するため、ゴム部と付加質量は可変とした。データ収集の際、実衝撃力との比較が行える様に衝撃力測定装置(力センサー)は人の足が乗る大きさ(φ=33cm)に改良し、従来のもの(φ=22 cm) との特性の違いを確認した。 実衝撃源と試作衝撃源の対応のしやすさを考慮し、比較的衝撃力が大きく、衝撃時間が短い小走りについて検討を行うこととした。試作した衝撃源の衝撃力を測定したところ、ゴム厚が薄く、芯(鉄)の影響を受けるため、衝撃時間が実際の小走り衝撃よりも短く、高い周波数成分まで衝撃力を含んでしまう。したがって、ゴムの硬度を低くし、厚さを増すことにより、衝撃時間を20ms程度まで延ばす改良が必要である。 生活実感を評価する際、歩行および小走り時の床の硬さ感覚を示す指標となる変位量の測定を行うため、変位計と静的な荷重を加えた場合の床の変位量との対応をみるため、荷重となるおもり(計100 kgf) および計測用治具を製作した。これらの測定システムの構築により、住宅の床を衝撃音と歩行感の両面から総合的に評価できると考えられる。
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