2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域による公共空間の管理・運営における責任・権限範囲に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20760403
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉田 早苗 Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 助教 (90313353)
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Keywords | 公共空間 / 管理運営 / 地域組織 |
Research Abstract |
本研究は、近年みられるようになったNPO等の地域組織による公共空間の管理・運営活動に着目し、その責任・権限範囲に関する知見を得ることを目的としている。本年度の実施事項は以下の3点である。(1)地方自治法や都市公園法などの公物管理法や地方自治体の条例、地方自治や公共政策に関する基礎文献を渉猟し、公共空間に関する管理や責任、権限に対する現状の考え方や規則を整理した。(2)次に、地域による公共空間の管理・運営の事例収集と実施状況を把握するため、まちづくりの先進的地域として全国的に知名度の高い「財団法人世田谷トラストまちづくり」の助成事業に採択された地域組織の活動概要を把握した。活動報告書等の資料収集を行い、活動内容・活動場所・活動組織の基礎情報等に関するデータを入力・整理した。その結果、全204の地域組織のうち公共空間の「管理運営」を行っているのは約2割であり、その活動内容は清掃や植物の世話といったものからマネジメントに至るまで、責任・権限範囲の程度の差が大きいこと、また公共空間の中では「公園・緑道・緑地」の管理運営が突出して多く、道路や公共施設は管理運営の対象となりにくい実態が明らかとなった。さらに管理運営の責任・権限範囲のレベルを4つに分類した結果、責任・権限範囲が広いほど公共空間の利活用の度合いも高く、先進的な活動を展開していることが明らかとなった。(3)続いて、公共空間の管理運営における責任・権限範囲の詳細な実態とこれに関連する問題やその解決策に関する調査の対象選定と調査企画を行った。(2)の結果を踏まえ、管理運営の責任・権限範囲のレベルの高い地域組織を選定し、現地調査とヒアリング調査の企画(調査内容のデザイン、プレ調査実施、調査対象組織との調査実施交渉など)を進め、現地調査とヒアリング調査の実施を開始した。
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