2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760484
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊地 竜也 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (60374584)
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Keywords | アルミニウム / アノード酸化 / アクチュエーター / マイクロマシン / レーザー加工 / 導電性高分子 |
Research Abstract |
本研究においては、空気中で使用可能な環境対応型三次元マイクロアクチュエーターを作製するための基礎研究を行った。アノード酸化を施したアルミニウム試料にレーザー照射を行い、酸化皮膜を局部的に破壊・除去したのち、金めっきおよびピロールの電解重合を施した。試料を白金板と電気的に接続したのち、NaOH水溶液中に浸漬し、アルミニウム素地およびアノード酸化皮膜を溶解・除去することにより、金およびポリピロールの2層からなる三次元構造体を作製した。試料をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液中に浸漬し、白金を対極、銀/塩化銀電極を参照電極としてサイクリックボルタモグラムを測定すると、アノードおよびカソード分極において電流ピークを示すとともに、ポリピロール中へのナトリウムイオンのドープ・脱ドープにより三次元構造体は屈曲し、アクチュエーターとして動作することがわかった。この構造体および金対極を、電解質イオンを含む寒天水溶液中に浸漬し、水溶液の濃度、温度、浸漬時間、および引き上げ速度を種々変化させ、試料表面に電解質膜の形成を試みた。引き上げ速度の低下とともに厚い電解質膜が析出できた。金/ポリピロール2層構造体を作用極、金を対極としてサイクリックボルタモグラムを測定すると、アノードおよびカソード分極により電流ピークを示し、ポリピロール中へのイオンのドープ・脱ドープが生じているものと推定されたが、構造体の屈曲は観察されなかった。これは、電解質膜の厚さによるものと考えられるため、比較的薄い電解質膜を形成することにより、空気中において動作可能な三次元マイクロアクチュエーターを実現できることが示唆された。
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