2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760484
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊地 竜也 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (60374584)
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Keywords | アルミニウム / アノード酸化 / アクチュエーター / マイクロマシン / レーザー加工 / 導電性高分子 |
Research Abstract |
電解研磨したアルミニウム板にアノード酸化、着色処理、封孔処理を施したのち、レーザー照射を行い、酸化皮膜を局部的に破壊・除去した。その後、皮膜除去試料に金めっきおよびポリピロールの電解重合を行い、金およびポリピロールの積層構造を形成した。積層構造体を再び金めっき水溶液中に浸漬し、カソード分極を行うと、ポリピロール上に粒子状の金が析出し、分極時間とともに粒子の直径が大きくなるとともに、隣接する粒子同士が結合し、連続した金の膜となった。得られた金/ポリピロール/金析出試料をNaOH水溶液中に浸漬し、アルミニウム素地およびアノード酸化皮膜を溶解・除去することにより、三層構造体を分離することができたが、金とポリピロールとの密着性が低いためにそれらの層が剥離し、アクチュエーターとして使用することは困難であった。そこで、金めっきのさい、ガス発生を伴う金めっきを行い、粗い表面を有する金析出層を形成することにより、それぞれの層のアンカー効果を利用した新しい構造体作製法を開発し、剥離など欠陥部の無い三層構造体を得ることに成功した。得られた三層構造体を、電解質イオンを含む水溶液中に浸漬してサイクリックボルタモグラムを測定すると、イオンのドープ・脱ドープに伴う電流が測定され、三層構造体の屈曲動作が観察された。一方、空気中で同様の分極を行うと、電流は測定されるものの、屈曲動作は観察されなかった。これは、構造体の一部が短絡しているものと考えられるので、積層構造形成プロセスを改良することにより、環境対応型のマイクロアクチュエーターとして使用できると予想される。
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