2008 Fiscal Year Annual Research Report
自立配向性モノクローナル抗体を用いた次世代免疫診断システムの開発
Project/Area Number |
20760537
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
熊田 陽一 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 助教 (70452373)
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Keywords | バイオテクノロジー / PS-tag / scFv / Pichia pastoris / Polystyrene |
Research Abstract |
本研究課題では、ポリスチレン(PS)基板表面に対して自己集積および自立配向性を有する診断用モノクローナル抗体を創生、大量生産し、高感度、迅速、ハイスループットな次世代免疫診断システムを構築することを目的としている。本年度は、申請者が独自に開発したポリスチレン親和性ペプチド(PS-tag)を末端部に有するモノクローナル抗体(scFv-PS-tag)を組換え大腸菌ならびに組換え酵母を用いて大量生産し、これを親水化PS基板上に安定に自己集積および自立配向できる革新的な抗体の固定化技術を開発した。PS-tagのアミノ酸配列ならびにPS基板の表面状態を最適化することで、PS表面におけるscFvの直接的かつ安定な固定化を実現できた。さらに、プラズマ照射や界面活性剤処理等の表面親水化技術によって、PS-tagを介する部位特異的かつ自立配向的な固定化状態が実現でき、抗体の抗原結合活性を高く維持できた。特に、PS-tagの特異的親和性を利用したOn-Chip Refolding法を開発し、大腸菌で生産されたscFv-PS-tagを精製なしに固定化さらにはリフォールディングすることに成功した。本研究の成果によってscFv固定化基盤の生産コストを大幅に削減することに成功した。来年度は本法を用いた抗体チップの小型化さらにはハイスループット化の達成を目指し、関連研究成果を論文にまとめることを計画している。
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Research Products
(3 results)