2009 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫由来生理活性ペプチドを改変した受容体バイオセンシング素子の開発
Project/Area Number |
20760543
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
宮地 寛登 Tokyo University of Technology, 応用生物学部, 助教 (50358131)
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Keywords | バイオテクノロジー / 生体機能利用 / 蛋白質 |
Research Abstract |
タンパク質工学、環境、創薬や医療などの分野において、タンパク質を高感度に検出する技術が求められている。本研究では、標的タンパク質を特異的に認識するペプチド鎖を担体に高密度に固定化する方法を開発することを目的とし、ロイシンジッパー・モチーフの構造および特性に着目した。このため、担体との固定化領域をN末端に配置し、ロイシンジッパー・モチーフを直列に配置した構造を有する足場ペプチドを設計・精製した。つぎに、ヒト・上皮増幅因子受容体(EGF-R)およびヒト血管増殖因子(VEGF)と特異的に結合するペプチド鎖をそれぞれ設計した。具体的には、ペプチド鎖のN末端側に足場ペプチドとの結合領域を有し、リンカー配列を介してC末端側に標的タンパク質と特異的に結合する分子認識ペプチドを設計した。設計したペプチド鎖はそれぞれ大腸菌による大量発現系を構築し、精製した。精製したペプチド鎖はそれぞれSDS-PAGEにより確認している。このようにして得られたペプチド鎖を表面プラズモン共鳴法(SPR:Surface Plasmon Resonance)を用いて評価した。この結果、ロイシンジッパー・モチーフを直列に配置した足場ペプチドはSPR用チップに強固に固定化可能であり、分子認識ペプチドを一定面積に対して、配向性、規則性のある高密度な固定化が実現できることが示唆された。また精製した分子認識ペプチドは標的タンパク質と特異的に結合し、さらに直列に配置したロイシンジッパー・モチーフの繰り返し回数に応じて検出シグナルの増強がみられた。以上の結果から、本研究では配向性を制御し高感度化を実現した分子認識素子の固定化技術の開発をおこない、ヒト受容体の検出と共に多くの腫瘍細胞から産生・分泌していることが知られるガンマーカータンパク質を標的とした分子認識ペプチドを設計してバイオセンサーの構築を実現した。
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