2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20770168
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 仁 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 助教 (90455816)
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Keywords | 四肢 / 再生 / Xenopus / 再生医学 / transgenesis |
Research Abstract |
アフリカツメガエル(以下Xenopus)は幼生期においては四肢を切断されても完全に再生できるが、変態が完了した後のfrogletでは軟骨のみからなる一本のスパイク状構造しか再生できなくなる。この四肢再生能の違いが生じる原因を分子レベルで明らかにした上で、遺伝子操作によって再生能が低下した四肢の再生能を回復させること目的とする。平成20年度までの研究によって現在の研究室において特定の遺伝子を組み込んだトランスジェニック(Tg)個体の大量作製が可能になった。さらに平成21年度にはクリスタリンプロモーターを利用して遺伝子が導入された個体を標識することで、導入個体を効率よく選別することが可能になった。 これら技術を利用して、Wntシグナリングを時期特異的に操作する実験を行い、幼生期の四肢再生には同シグナリングが必須であるが、frogletの再生には必須ではないこと、さらに四肢再生に必須な神経からのシグナルとWntシグナリングとの関連を示すデータを得た(一部のデータは次ページ記載の学会発表にて発表)。またレチノイン酸(RA)シグナリングに応答するゲノムの応答領域(RARE)を組み込んだTgガエルを作製して、四肢形成・再生の過程におけるRAシグナリングの活性化を視覚化することを可能にした。さらにshh遺伝子の発現を制御するゲノム上のプロモーター・エンハンサー領域を組み込んだTgガエルを作製して、基本的に内在性のshhの発現パターンを再現しうることを確認し、再生能の回復を図る目的で将来、shhの発現を操作するための基盤となる知見を得た。
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