2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原糸状菌が産生するオーキシンのビオトロフィック状態での侵入菌糸伸展への役割
Project/Area Number |
20780034
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 栄爾 Ishikawa Prefectural University, 生物資源環境学部, 助教 (50433199)
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Keywords | 活物寄生 / 侵入菌糸 / 組織科学 / オーキシン / イネいもち病菌 / 応答反応 |
Research Abstract |
この研究の目的は, ビオトロフィック状態の時に植物寄生菌の産生するオーキシンが, 宿主植物組織内で細胞レベルの変化を誘導し, 菌糸の組織内伸展促進物質として作用していることを明らかにすることである. これまで, イネいもち病菌の侵入菌糸先端にオーキシンが存在する結果を免疫組織化学的に得ている. 本研究の初年度では, 以下の結果を得た. 1. オーキシン応答レポーター遺伝子(DR5 :: GUS)を導入したイネを用いることによって, いもち病菌を接種した時のイネ葉組織のオーキシン応答部位を可視化することを試みた. イネ内生オーキシンの影響を少なくするため, オーキシン極性輸送阻害剤(NPA, TIBA)と作用阻害剤(PCIB)も利用した. その結果, 侵入菌糸周辺のイネ細胞にGUS活性が認められた. すなわち, イネいもち病菌侵入菌糸が産生するオーキシンに対して, 周辺のイネ細胞が応答していると考えられた. 2. 18S rRNAを標的としたin situ hybridization法を用いて, ビオトロフィックに伸展している菌糸を宿主組織内で種特異的に検出する方法を, タケ類てんぐ巣病菌を供試して確立した. 3. オーキシン産生欠失株を作製することはできないと考えられるため, イネいもち病菌のオーキシン過剰産生変異株を作製することを計画した.そのために, indole-3-acetamide hydrolase遺伝子を発言させるためのプラスミドを作製した. 現在は, イネいもち病菌に形質転換し, 変異株の選抜を行っている.
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Research Products
(3 results)