2008 Fiscal Year Annual Research Report
カイコ寄主植物クワの乳液由来耐虫性タンパク質の毒性発現機構と応用利用
Project/Area Number |
20780040
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
和佐野 直也 National Institute of Agrobiological Sciences, 昆虫-昆虫・植物間相互作用研究ユニット, 特別研究員 (00469850)
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Keywords | 耐虫性タンパク質 / シロイヌナズナ / エリサン / クワ |
Research Abstract |
クワ耐虫性遺伝子の全配列およびシグナルペプチドをdeleteしたmutantをpDNR221にクローニング後、それぞれの遺伝子をアグロバクテリウムと大腸菌のシャトルベクターpBI-OX-GWにGatewayクローニング法を用いて導入し、MLXf1pBIとMLXDS5pBIのコンストラクトを構築した。それぞれのコンストラクトをアグロバクテリウムに形質転換し培養後、シロイヌナズナColumbia株に花序を菌懸濁液に浸し感染させた。感染植物から得られた種子をカナマイシン選択培地で培養し得られた植物体のGFPタンパク質の発現の有無で形質転換体を選抜した。得られた形質転換体(T1世代)を2ヶ月生長させ得られた葉から全RNAおよびタンパク質を抽出しRT-PCR、SDS-PAGEおよびimmunoblotによりタンパク質の発現を確認した。また、同じコンストラクトを培養細胞T87株にも形質転換を行った。昆虫のバイオアッセイはエリサン1齢幼虫を用い、シロイヌナズナ生葉を直接摂食させた。 RT-PCRによりMLXf1pBI導入個体ではクワ耐虫性遺伝子の発現が確認されたがMLXDS5pBI導入個体ではクワ耐虫性遺伝子の発現は確認されなかった。葉タンパク質をSDS-PAGEで分析すると明確なタンパク質発現の増加は観察されずクワ耐虫性タンパク質に対する抗体を用いたイムノブロットでも対照区と比較してプロフィールの差は観察されなかった。また少なくとも3種類のシロイヌナズナ葉タンパク質と抗体の交差反応が観察された。エリサン幼虫を用いたバイオアッセイによりMLXf1pBI導入個体の葉を摂食させた幼虫で明確な成長阻害が観察されたが、成長阻害活性は弱いものであった。MLXDS5pBI導入個体ではエリサンの成長阻害は観察されなかった。
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Research Products
(4 results)