2009 Fiscal Year Annual Research Report
青果物の流通チャネル内部における食品廃棄物の発生構造に係わる研究
Project/Area Number |
20780166
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
杉村 泰彦 Rakuno Gakuen University, 酪農学部, 准教授 (80405662)
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Keywords | 卸売市場 / 食品廃棄物 / 食品リサイクル |
Research Abstract |
食品廃棄物の発生について,生産段階から小売段階までをチャネル単位で捉えることは,特定の商品を追跡する場合と異なり困難が多い。そこで,前年度に引き続き,産地段階における産地廃棄問題,卸売市場における残品問題,小売段階における残品対策それぞれについて,実態調査,ヒアリングと分析を実施した。 このうち小売段階の取り組みについては,関西の食品スーパーA社のように,売れ残りを出さないための流通加工(生鮮→総菜)を行い,それでも残った商品は堆肥化しているケースがあった。製造された堆肥は自社が設立に深く関わった,農業生産法人に供給される。特に,商品形態を変化させることで残品を避けようとする工夫は,特徴的であり注目に値するといえる。 残品の回避や店舗リサイクルの推進など,小売段階には特徴的な動きが目立つ。しかし,小売段階は仕入量の調整が可能であり,それが残品の大量発生を抑制している第1の要因であると考えられる。これに対し,制度的に入荷量の抑制が困難である卸売市場は,チャネル内部の残品が集中せざるを得ない地位にある。発生した食品廃棄物は,有効にリサイクルされなければならない。カスケード利用という面から,近年,着目されているのが飼料化利用,エコフィード製造である。ところが,個装さえ除去すればほぼ確実に飼料化できるパンなどの加工食品に比べ,青果物の場合は個装を除去しても,1品ごとに腐敗の確認をしなければならない。これが青果物残品を飼料化する際の最大の障害とみられる。堆肥化は製造物の投入先の面で限界があり,飼料化をしやすくするための仕組み作りが今後の政策的課題となろう。
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Research Products
(1 results)