2008 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨および骨形成における低分子量Gタンパク質、Rhoファミリーの役割
Project/Area Number |
20790171
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
福山 亮 Hiroshima International University, 薬学部, 助教 (20389117)
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Keywords | 骨代謝学 / 発生・分化 / 歯学 |
Research Abstract |
これまでに骨芽細胞のRhoファミリー分子(Rac、Cdc42, RhoA)機能を抑制することにより、細胞分化・骨形成機能に多大な影響を及ぼすことを明らかにしてきた。本研究では、Rhoファミリー分手の機能亢進による軟膏、骨芽細胞分化、それぞれの機能への影響を検討することを目的としている。 本年度は、Racを骨芽細胞内で特異的に発現するトランスジェニックマウス(tgマウス)を作製し、Rhoファミリー機能亢進、特にRacの機能亢進よる細胞分化・骨形成機能への影響を検討した。 骨塩量・密度の測定p-QCT骨密度測定装置を用いた大腿骨の形態単的変化の解析では、野生型(wt)マウスに比べ、tgマウスで有意に骨密度の減少が認められた。この骨密度の減少は海綿骨および皮質骨両方の減少によるものであった。本傾向は骨形態計測においても同様に認められた。 骨芽細胞分化マーカーの解析骨芽細胞の分布および分化状態をべるために、in situハイブリダイゼーション法、ノザンハイブリッド法を用いて検討した。その結果、tgマウスとwtマウスで骨芽細胞の骨内での分布には変化はないが、tgマウスで明らかに骨芽細胞の分化が抑制されていた。発現マーカーのmRNA発現量はオステオポンチンの発現量がtgマウスでwtマウスに比べ亢進していた。 これまで、そして本検討結果より、骨芽細胞でRac分子の機能亢進、低下いずれにおいでも、骨量の低下を誘導することが示唆された。しかしながら、骨形態がらみた表現系は明らかに異なっており、今後さらに検討を要する。
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