2009 Fiscal Year Annual Research Report
選択的プロテオミクスを用いた関節液中タンパク解析による関節炎診断マーカーの探索
Project/Area Number |
20790416
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
松村 洋子 Osaka Medical College, 医学部, 助教 (80388256)
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Keywords | 関節炎 / シトルリン化タンパク / 関節リウマチ / 変形性関節症 / プロテオミクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、質量分析を用いて種々の関節炎疾患の関節液中タンパクの同定を行い、診断マーカーとしての有用性や病態との関連を検討する事である。 具体的には抗シトルリン抗体を用いた種々の関節炎疾患の関節液中のシトルリン化タンパクの解析と量的に差のあるタンパクの同定を行った。従来シトルリン化タンパクはRA特異的と考えられていたが、最近では他の関節炎疾患の関節中シトルリン化タンパクの存在が報告されている。既に同定されているシトルリン化タンパク以外にも関節中にはシトルリン化タンパクが存在しており、病態との関わりがあると考えられる。 このため、当院整形外科加療中関節炎患者の関節液を用い、アルブミンなどのタンパクを除去し可溶化した関節液を電気泳動しタンパク分離し、抗シトルリン抗体用いたWB法により関節液中のシトルリン化タンパクの検出を行い、MALDI/TOFMSを用い陽性スボツトのタンパクの同定を行なつた。RA、OA患者の関節液中よりFibrnectin, fibrin, vimentinを認めた他、RA患者の関節液中より新たにAnnexin2を検出することが出来た。現在シトルリン化Annexin2が関節液から抽出出来るか確認中である。 また並行して、RA,OA関節液中の量的に差のあるタンパクの検出を試みた。関節液をピアルロニダーゼ処理し、得られたタンパクを2次元電気泳動しクマシー染色し、MALDI/TOFMSを用いて、陽性スボツトのタンパクを同定し、両疾患におけるタンパクプロフアイルを比較した。RA関節液中にOAより多く発現しているタンパクとしてα 1 acid glycoproteinとfibrinogenを同定、またOAに多いタンパクとしてApolipoprotein A-Iが同定できた。 今後引き続きこれらのタンパクの診断マーカーとしての有用性や病態との関連を検討する。
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Research Products
(1 results)