2008 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性皮膚疾患における新規血液RNA診断システムの開発
Project/Area Number |
20790824
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
津田 達也 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (80434942)
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Keywords | 炎症性皮膚疾患 / 網羅的解析 / 末梢血 / 新規RNAマーカー / 選抜アレイ |
Research Abstract |
代表的な炎症性皮膚疾患であるアトピー性反膚炎や尋常性乾癬、膿疱性乾癬なとの病勢の評価、治療効果の判定および治療方法の選択は、皮膚科医の視診と末梢血中の白血球数およびCRPなどの非特異的炎症性マーカーをもとにおこなわれてきた。しかし、皮膚科医の熟練度には個人差があり、従来の血液マーカーは疾患特異的でないために、客観的に皮膚疾患を評価するマーカーは少なく、疾患特異的な病勢の評価や治療効果の判定に利用できる新規マーカーの開発が望まれている。本年度は本学の倫理委員会で承認を受けた同意書に某づき、アトピー性皮膚炎、毛孔性紅色粃糠疹の患者のインフォームド・コンセントを得た後、末梢血を採取して全RNAを抽出した。この全RNAの品質をコスモアイにて評価した後、鋳型にしてCy5標識aRNAを合成し、ヒトmRNAマイクロアレイチップにハイブリダイゼーションをおこなった。その結果、アトピー性皮膚炎でケモカインであるCCL23、カルシウム結合蛋白質であるS100Pなどの血清中に分泌される分子や多数の転写因子の発現上昇が認められた。また、毛孔性紅色粃糠疹ではSERPINA4などのセリンプロテアーゼインヒビターや多数の転写因子の発現上昇がみられた。次年度はさらに症例数を増やして、統計解析をおこない、臨床データと相関がある分子を抽出する。そして、それらの分子を搭載した炎症性皮膚疾患の診断および病勢判定に使用可能な選抜アレイを作成していく予定である。
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