2008 Fiscal Year Annual Research Report
模倣におけるアスペルガー障害児の脳血流変化と社会的スキルの関連についての検討
Project/Area Number |
20790842
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 あい子 Hiroshima University, 病院, 病院助教 (00448250)
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Keywords | 近赤外分光法 / アスペルガー障害 / ミラーニューロン / 社会的スキル |
Research Abstract |
本年度はまず、近赤外分光法による脳血流測定の際の課題として適切なものを作成するため、健常成人や健常発達児において種々の課題を作成し、測定を繰り返した。測定には日立メディコETG-100を用いた。しかし学童を被験者とすると、成人よりも毛髪が濃かったり体動の影響を受けやすかったりしてノイズが出やすかったため、予備実験として測定器具を浜松ホトニクス社NIRO-200とし、前頭部のみの測定を行った。結果、ノイズが少なく、かつある程度の反応が得られやすい「瓶のキャップの開閉」を選択したが、模倣時のミラーニューロンの活動としては前頭部だけでは不十分と考え、器具の装着の仕方に改善を重ね本測定は日立メディコETG-100にて行うこととした。またミラーニューロンシステムの一部が存在するBroca野同定のための課題である語流暢課題は、発声時の側頭筋の活動によるノイズを防ぐため、書字で行うこととした。 課題が決定したところで、実際の被験者での測定を開始した。当院小児科にて研究代表者の外来でフォローしているアスペルガー障害児のうち、測定に耐え得ると思われる児に声をかけ、同意の得られた4名について測定を行った。また、健常発達児は当院小児科のホームページに被験者募集の告知を行い広く一般から募集し、5名の測定を行った。また社会的スキルとの関連を見るため、被験者の保護者に「新版SM社会能力検査」と上野らによる「ソーシャルスキル尺度」の記入を依頼し、結果を回収した。脳血流測定の結果は、ノイズは多少認められたが、解析可能なデータを得ることができた。血流変化の傾向はある程度認められた(観察・模倣ともCh10で変化量が大きい)が、統計的解析に耐え得る症例数を集めるため、次年度も引き続き測定を継続することとした。
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