2008 Fiscal Year Annual Research Report
報酬系神経回路の抑制性介在ニューロンおよびドパミン放出に対する麻酔薬の影響
Project/Area Number |
20791087
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
石和 大 Yokohama City University, 医学研究科, 客員研究員 (30457858)
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Keywords | 報酬系神経回路 / 介在ニューロン / ドパミン放出 / 神経可塑性 |
Research Abstract |
ラット腹側被蓋野(VTA)におけるシナプス応答に対する麻酔薬プロポフォールの影響を検討する目的で、まず多点皿電極を用いた細胞外シナプス電位記録法を試みた。VTAにおける細胞外記録法の報告は多くないが、今までの報告では安定したシナプス電位の記録とパッチクランプ法を用いた時と同様な結果が得られていたからである。ごく低濃度(0.5μM)のプロポフォールがVTAにおけるシナプス伝達をおおよそ25%程度増強することが明らかになった。現在より高濃度のプロポフォールによるシナプス伝達への影響を検討している。同時にコンベンショナルなスライスパッチを用いたプロポフォールのVTAシナプス伝達への影響を検討するための予備実験・条件検討を行った。 また、平成21年度に予定しているラットを用いたインビボ微小透析法を行う前段階として、生後17-25日齢ラットからVTAおよびVTAドパミンニューロンの投射先である側坐核を含む脳スライスを用いて遊離してくるドパミンの検出を試みた。チャンバー内に脳スライスを静置し、人工脳脊髄液(aCSF)に0.5-50μMのプロポフォールを加算的に加え還流し、5分毎に分注した。後に高速液体クロマトグラフを用いてaCSF中に含まれるドパミンとセロトニンを定量した。ドパミンおよびセロトニンは検出可能であったが、プロポフォールによるこれら神経伝達物質放出に及ぼす一定の影響は見出せなかった。 なお、昨年度途中に人事異動があり客員研究員として研究を継続することとなったため、教室内の協力者を得て研究を行う体制となったが、当初予定していたのよりも研究の進捗が遅れがちになっていることを申し添える。
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