2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791167
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大野 暁子 Keio University, 医学部, 研究員(非常勤) (70383883)
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Keywords | 癌 / ウイルス / 蛋白質 |
Research Abstract |
子宮頸癌の発症のほとんどにヒトパピローマウイルス(HPV)の関与が認められている。癌細胞中ではウイルス由来のE6タンパクとE7タンパクが発現しており、これらが癌化および癌形質の維持に寄与している。E7タンパクは、癌抑制遺伝子産物のRbタンパクを始め、プロテアソームや各種転写因子などに結合することで癌細胞代謝に関与している。このE7タンパクと標的タンパクの相互作用に必要な領域は絞り込まれている。本研究はこれを利用し、子宮頸癌原因ウイルスの機能を阻害するペプチドを開発し、癌細胞の代謝への影響を詳細に検討することでより効果の高い治療用ペプチドによる治療法を開発することを目的とした。 HPV-E7とpRBのタンパク・タンパク間の相互作用を定量的に測定できるmammalian two hybridアッセイ系を用いて、結合阻害活性を指標とし、E7の一部を含めた各種ペプチド発現ベクターを作成し、評価を続けている。また、E7タンパクは最も核内で作用を及ぼしていると考えられるため、候補ペプチドにGFPタンパクを組み込み、局在も検討したが、核内への移行は良好であった。 ウイルス遺伝子は宿主DNAに組み込まれると報告されており、ウイルス遺伝子の存在形式も重要な予後因子と捉えられている。更に強力な腫瘍抑制効果を期待し、多価ペプチドとしての開発を試みているが、RB以外のE7タンパクの標的分子を探すため、BACマイクロアレイを用いて子宮頸癌検体の遺伝子変化の解析を行った。現段階では、腺癌特有の変化はないものの、子宮頸癌全体では、1q、3q、5p、20pの増幅そして6q、11qの欠失を認めた。
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Research Products
(2 results)