2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791442
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
田坂 彰規 Tokyo Dental College, 歯学部, 助教 (90453761)
|
Keywords | 咀嚼 / チューイング / ストレス / コルチゾール / 唾液 |
Research Abstract |
これまで、我々はストレスによって咀嚼運動の要素(咀嚼運動周期、咀嚼ズム、開口量)が変化することに着目し、チューイング速度の違いがストレス緩和に及ぼす影響について検討してきた。ストレス状態の指標には唾液中コルチゾールを用いた。その結果、速いチューイングがストレス緩和に効果的であった。 また、チューイング速度に伴って増減するチューイング回数がストレス緩和に影響を及ぼしていることを示唆した。よって、これまでの研究成果を発展させるために、チューイング速度に依存しないチューイング回数についてのみ着目し、さらにストレス緩和に有効なチューイング条件を検討する必要がある。本研究では、チューイング回数の違いがストレス緩和効果に影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とした。 被験者は健常有歯顎者8名とし、ストレス負荷として暗算を30分行わせた後、ガムチューイングをさせた。チューイング条件は5、10および15分の3条件とすることで、回数の違いを与えた。チューイング後は安静にさせストレス負荷後20分で実験終了とした。ストレス評価は、唾液中コルチゾール濃度およびアミラーゼ濃度を計測することで行った。唾液採取はストレス負荷後(S)、チューイング後(Ch)、ストレス負荷後20分(R)とした。分析はSからChおよびRまでの変化量の割合を変化率として算出した。統計処理は反復測定による一元配置分散分析後に多重比較を行った。 唾液中コルチゾール濃度のSからChの変化率はチューイング15分において著しく減少し、チューイング5分との聞に有意差が認められた。しかし、SからRの変化率は各条件間で有意差が認められなかった。唾液中アミラーゼ濃度の変化率に関しては各条件間で有意差は認められなかった。今回の研究からチューイングの持続時間に伴って増加するチューイング回数がストレス緩和に影響を及ぼす可能性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)