2008 Fiscal Year Annual Research Report
カプサイシンを利用した、骨欠損修復メカニズムにおける感覚神経の役割に関する研究
Project/Area Number |
20791488
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 恵 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (20431512)
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Keywords | 骨 / 感覚神経 / 修復・再生 / カプサイシン |
Research Abstract |
本研究計画では、カプサイシンを用いて感覚神経を麻痺させた状態(実験群)での骨欠損修復と、正常な状態(対照群)での骨欠損修復とで、経時的修復骨量および骨芽細胞と歯骨細胞の活性について比較検討し、骨修復メカニズムにおける感覚神経の関与を明らかにすることを目的とする。 平成20年度では、wistarラットを使用してカプサイシン投与による感覚神経麻痺モデルの作製を目指した。Tween-80とエタノールと生理食塩水を1:1:8の割合で混合した溶媒にカプサイシンを加え、実験群である生後9週齢のラットの背側皮下に、午前に1回、午後に1回、翌日午前に1回の計3回の投与を行い、投与後1週間でカプサイシンの効果を確認するためeye wiping testを実施し、カプサイシンの投与量を決定した。また、予備的実験ではあるが、一部は眼神経を摘出して透過型電子顕微鏡にて感覚神経の破壊・変性を観察することで、カプサイシンの効果の確認を行った。さらに、生後10週齢のwistarラットの頭頂骨に直径3.8mmの規格化骨欠損を作製する手技を習得した。 以上、育児休暇に入るまでの3ヶ月間で、カプサイシンの投与量、投与時間、投与期間を決定し、カプサイシン投与による感覚神経麻痺モデルをほぼ完成させた。休暇明けからは、実験群と対照群とで頭頂骨に規格化骨欠損を作製し、骨欠損修復時の骨芽細胞と破骨細胞の活性に関して、各細胞のマーカー分子のmRNA発現をリアルタイムPCR法を用いて定量的に解析する予定である。
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