2009 Fiscal Year Annual Research Report
カプサイシンを利用した、骨欠損修復メカニズムにおける感覚神経の役割に関する研究
Project/Area Number |
20791488
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 恵 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (20431512)
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Keywords | 骨 / 感覚神経 / 修復・再生 / カプサイシン |
Research Abstract |
本研究計画では、カプサイシンを用いて感覚神経の機能を抑制した実験群と感覚神経の機能が正常な対照群とで、骨欠損修復における経時的修復骨量および骨芽細胞と破骨細胞の活性について比較検討し、骨修復メカニズムにおける感覚神経の関与を明らかにすることを目的とする。 平成21年度では、感覚神経の機能を抑制するために用いる薬剤であるカプサイシンの効果を判定するために、実験群と対照群の両群において投与後1週・2週・3週・4週・6週の時点でEye wiping test(痛覚テスト)を施行し、投与前と比較検討した。その結果、カプサイシン投与により痛覚が4週まで抑制され、6週で回復することがわかった。痛覚は投与後1週で最も抑制され、その後徐々に回復傾向を示した。 また、実験群と対照群で、投与前・投与後1週・2週・4週・6週の時点で2%パラホルムアルデヒドと2%グルタールアルデヒドとの混合液で灌流固定後三叉神経を摘出し、4%四酸化オスミウムで後固定して樹脂包埋後薄切切片を作製した。切片を酢酸ウランで染色後に鉛染色を施し、透過型電子顕微鏡にて観察した。その結果、カプサイシン投与による感覚神経の構造破壊・変性は見られなかった。 現在、ラット頭頂骨に直径3.8mmの規格化骨欠損を作製し、実験群と対照群とで術後2週・4週・6週における骨修復量を、統計学的に比較検討を行っている。
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