2010 Fiscal Year Annual Research Report
カプサイシンを利用した、骨欠損修復メカニズムにおける感覚神経の役割に関する研究
Project/Area Number |
20791488
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 恵 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (20431512)
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Keywords | 骨 / 感覚神経 / 修復・再生 / カプサイシン |
Research Abstract |
本研究計画では、カプサイシンを用いて感覚神経の機能を抑制した実験群と感覚神経の機能が正常な対照群とで、骨欠損修復における経時的修復骨量および骨芽細胞と破骨細胞の活性について比較検討し、骨修復メカニズムにおける感覚神経の関与を明らかにすることを目的とする。 平成22年度では、ラット頭頂骨に直径3.8mmの規格化骨欠損を作製し、実験群と対照群とで術後2・4・6週における骨修復量を、軟X線写真撮影を行い二次元的に計測し、統計学的に比較検討した。その結果、対照群と比較して実験群では修復骨量のばらつきが大きくなることがわかった。感覚神経が機能しなくなると、骨の過形成あるいは骨吸収が起こるなど、骨修復が正常に進まなくなると考えられる。つまり本研究結果は、感覚神経が骨欠損修復における骨形成や骨吸収の制御に関与することを示唆していると思われる。 また、骨欠損修復時の骨形成系のタンパクと骨吸収系のタンパクの活性を調べるため、オステオカルシンとカテプシンKのmRNA発現をリアルタイムPCR法を用いて定量解析した。実験群と対照群のラット頭頂骨に、上記と同じ規格化骨欠損を作製し、術後1週・2週・3週・4週・6週におけるオステオカルシン(骨芽細胞のマーカー分子)とカテプシンK(破骨細胞のマーカー分子)のmRNA量を測定した。 現在は、リアルタイムPCR法を用いて定量解析したmRNA発現について、実験群と対照群とで統計学的に比較検討中である。
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