2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791515
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
辻極 秀次 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70335628)
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Keywords | 幹細胞 / GFP / 歯髄 / 骨髄 / 再生医学 |
Research Abstract |
本年度研究では骨髄幹細胞を用いた歯科再生医療の臨床応用を目指す為、骨髄幹細胞の歯牙構成細胞への分化誘導制御に関する基礎的研究を行った。骨髄幹細胞の歯牙構成細胞への分化能に関する研究では、GFPトランスジェニックマウス・ラット由来の骨髄細胞を用い、1. GFP骨髄細胞移植動物の作成と同動物の組織学的解析、2. 歯髄組織中に存在するGFP陽性細胞の樹立を試みた。また骨髄幹細胞の歯牙構成細胞への分化誘導を行う上で、象牙芽細胞の解析を行うことは重要である。そこで歯髄細胞の分化過程の詳細を解析するため3. GFPトランスジェニックラットより歯髄幹細胞の樹立を試みた。 1. 免疫組織化学的解析では、GFP骨髄細胞移植後1ヶ月で歯髄組織中にGFP陽性細胞が多数認められた。GFP陽性細胞は6ヶ月の観察期間中細胞数の大きな変化は認められなかった。歯髄組織中のGFP陽性細胞は神経、血管等のマーカー陰性であり、また大部分が樹枝状形態を呈していることから免疫機能に関わる樹状細胞である可能性が示唆された。GFP陽性細胞は歯髄組織以外に、歯根膜組織等の歯周組織にも認められ、経時的にGFP陽性細胞数の増加傾向が認められた。以上のことから骨髄幹細胞が歯牙構成組織に深く関わっていると考えられた。 2. 歯髄組織中のGFP陽性細胞を培養したところ、数代の経代で細胞数は激減した。今後培養条件等の詳細な検討を行う予定である。 3. ラット歯髄から樹立した歯髄幹細胞を、硬組織分化培地で培養した結果、高度な石灰化を生じた。また同細胞を免疫不全マウスに移植したところ、象牙質様の硬組織形成を認めた。
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