2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内環境と毛髪における重金属の蓄積濃度との関連性について
Project/Area Number |
20791596
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
小平 裕恵 Tsurumi University, 歯学部, 助教 (20367303)
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Keywords | 広汎性発達障害 / 成長・発育 / 毛髪中微量元素濃度 / 既製乳歯冠 |
Research Abstract |
歯科治療で用いる金属材料に含まれる重金属は,口腔内で溶出するか,体内蓄積をどの程度生じているのかは不明である。そこで,申請者は,被験者へ負担の少ない毛髪ミネラル検査により毛髪中微量元素濃度を測定し体内に蓄積した重金属の種類と蓄積濃度を推定し,歯科材料との関連性と子どもたちの成長・発達状態との関連性について研究を行っている。小児歯科臨床において診療時間,通院回数に配慮して既製乳歯冠を用いることが一般的であり,永久歯の鋳造冠に比べ小児の咬合の成長発育を阻害しないために既製乳歯冠は,鉄・クロム・ニッケルなどの重金属を含み,イオン化が高く口腔内への溶出も懸念されるが小児の咬合の成長発育に配慮すると,用いざる得ない。本年度は,既製乳歯冠既往なし群,既製乳歯冠装着中群,過去に既製乳歯冠既往ある群(現在口腔内に装着していない)の3群で比較検討するために,サンプルの採取を行った。特に,過去に既製乳歯冠既往ある群は,脱落してから半年以上を対象とした。毛髪中微量元素濃度の採取部分が頭髪の根元から3~5cmであり,約4か月で5cm伸びる(1日0.4mm伸びる)ことと,鉄・クロム・ニッケルの半減期は不明であるが水銀の体内からの半減期は70日であることより,過去に既製乳歯冠既往ある群では,既製冠脱落半年以上で採取する頭髪の半減期と判断した。現在までに,健常児で既製乳歯冠既往がない群22人,既製乳歯冠装着中の群16人,過去に既製乳歯冠既往ある群9人,広汎性発達障害児でそれぞれ26人,13人,13人の採取を行った。そして,得られた結果より統計解析を行った。
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