2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20791636
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
濃野 要 Niigata University, 医歯学系, 助教 (80422608)
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Keywords | 揮発性硫黄化合物 / 舌苔 / 漢方薬 |
Research Abstract |
舌苔は生理的口臭の主な原因であり、舌苔の量のコントロールは口臭の予防に不可欠である。現在、口臭治療では舌清掃などによる舌苔除去によって、生理的口臭の原因である口腔由来の揮発性硫化物(volatile sulphur compounds : VSC)を減少させている。一方、漢方薬を用いた治療によって目指す正常舌は舌苔の量が少ない状態であり、これは口臭抑制のための舌苔量のコントロールと合致する。そこで漢方薬を用いた舌苔産生量および口臭の減少について検証を行うこと塗目的とした。 同意を得られた女性6名を対象とし、半夏厚朴湯(7.5g)を8週間服用していただいた。服用前後の比較のために実験開始時、4週後、8週後に舌苔量、VSC量、刺激時唾液流量(SSF)安静時唾液流量(NSF)を測定した。SSFはパラフィンガムを3分間咀嚼、NSFは吐唾法にて15分間測定とした。すべての測定は午前9時に行い、当日の起床から飲食や口腔清掃などの一切の口腔活動を禁止した。昨年までの研究より舌苔色はVSC量と関連が認められなかったため、舌の評価は舌写真上における舌背面積に占める舌苔面積の割合とした。なお途中服薬を中断した2名を除き4名を解析対象とした。各項目の比較にはWilcoxon-Testを用いた。 測定結果は平均値として、それぞれ開始時、4週後、8週後においてVSC量(5.55,4.71,3.34ng/10ml)、舌苔量(55.5,51.8,45.0%)、SSF量(3.3,4.5,4.4ml)、NSF量(1.8,2.1,2.3ml)であった。いずれも開始時と比較して週の経過ともに改善方向にあったが、すべてで統計的有意差は認められなかった。今後は例数の増加もしくは服用期間の延長による再評価が必要であると思われる。
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