2008 Fiscal Year Annual Research Report
フッ化物齲蝕予防機序に対するバイオフィルムの影響の検討:人工口腔の応用
Project/Area Number |
20791649
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
鴨田 剛司 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 助教 (00366767)
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Keywords | 人工口腔 / フッ化物 |
Research Abstract |
ヒト口腔内環境を再現した人工口腔システムを用いて, フッ化物による再石灰化に与えるバイオフィルムの影響を検討した. 透明色の塩化ビニールで作製した人工口腔容器は内部を37℃に維持し, 人工口腔の上部にとりつけたステンレスチューブから実験溶液(フッ化物溶液), 細菌懸濁液, 液体培地をローラーポンプによって滴下した. 人工口腔下部には排水管とテフロン製の支柱を取り付け, 支柱上のホルダーにはヒトエナメル質を固定した. システム全体を嫌気チャンバーに入れ, 内部を嫌気状態にした上で, 細菌懸濁液滴下によりバイオフィルムを作製し, その後実験溶液(フッ化物溶液)を滴下した. 使用菌株にはStreptococcus mutans MT8148株を用いた. Brain heart infusion液体培地にて37℃, 16時間培養後, 菌数を分光光度計で測定し, 等張リン酸緩衝液にて濃度を調整, 細菌懸濁液とした. 評価法として滴下終了後のホルダーからエナメル質上に形成された人工バイオフィルムを採取し凍結切片を得て, 深度毎のフッ素イオン濃度を, フローインジェクション装置を用いて, バイオフィルム中の深さ別のフッ素濃度を決定した. またエナメル質から平行切片を作成し, 位相差顕微鏡観察やマイクロラジオグラフ撮影後, 画像定量法により脱灰深度, ミネラル喪失量を計測した. 以上の結果から, 本実験系のフッ化物による齲蝕抑制効果の評価法としての有用性を考察した.
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