2009 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症患者とその家族の診断時からの支援プログラムの作成
Project/Area Number |
20791701
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
高橋 奈美 Fujita Health University, 医療科学部, 研究生 (30452981)
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Keywords | ALS / 看護 / 支援プログラム |
Research Abstract |
本研究は,筋萎縮性側索硬化症(以下,ALS)患者とその家族の診断時から呼吸器装着前までのニーズを明らかにし,ALS患者・家族への支援プログラムを作成してその効果を評価することを目的としている.昨年度は,診断直後の患者のニーズを明らかにした.本年度の調査では病気が進行し,胃ろう,非侵襲的人工呼吸療法,侵襲的人工呼吸療法(以下,TPPV)のいずれかの医療処置が必要となった方で日常生活全般に介助が必要となっている方を対象に現在の思いを聴き取っていった.その中で,【介護体制の整備】といった課題と共にTPPVを含めた【今後の生き方を考える】という内容が語られた.対象は,いずれも介護保険,自立支援法によるサービスを受けていたが,市町村の担当者に自ら掛け合う等して介護時間の延長を希望していた.介護保険や医療保険で利用できる範疇の支援ネットワークの構築は,医療機関で対応できていたが,自立支援に関わる支援については不足している状況があった.また,医療・福祉にまたがる領域で制度も複雑であることから「最大限利用できる制度を教えて欲しい」といった【制度の知識の提供】や「一人ではできないので専門職の力を借りたい」といった【介護時間獲得のための支援】を求めていた. 診断直後は,特に精神的サポートや病気を理解することの支援を必要としていたが,病気の進行に伴い介護体制の確保という問題についての支援の比重が大きくなっていた.急変によりTPPV導入することになった患者は,「呼吸器を着けて良かったか悪かったかはこれからで決まる」と語り,生活の質を確保するために介護体制をいかにして整えるかという課題を抱えていた.次年度は,モデルケースの分析を行い,患者の支援プログラムを作成していく.
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Research Products
(3 results)