2010 Fiscal Year Annual Research Report
施設入所高齢者の下肢浮腫の定量的評価に基づく看護ケアの検討
Project/Area Number |
20791789
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
北村 有香 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (10438236)
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Keywords | 看護学 / 高齢者 / 下肢浮腫 / 下肢周径 / 座位 / 臥床休養 |
Research Abstract |
【目的】本研究は、高齢者施設において、車いす座位で日中過ごす高齢者及び自立歩行可能な高齢者を対象に、下肢浮腫の実態とその関連要因を明らかにし、下肢浮腫軽減に向けた看護ケアの具体的な方法について示唆を得ることである。今年度は、21年度の調査で明らかになった下肢浮腫の実態をもとに、介護老人保健施設に入所中で、日中殆どの時間を車いす座位で過ごしている女性高齢者を対象に、下肢浮腫を軽減させるケアとして臥床休養を取り入れ、その効果を生理的側面及び主観的反応から検証した。 【研究方法】対象者は、介護老人保健施設に入所中で日中殆どの時間を車いす座位で過ごし、かつ意思疎通が可能な女性高齢者4名とした。測定は、メジャーを用いた下肢周径測定、レーザー血流計(アドバンス社 ALF21D)を用いた下肢血流量測定、コンパクトサーモロガーを用いた下肢皮膚表面温度測定を行った。また、下肢浮腫に関する自覚症状等について聞き取り調査を行った。介入方法には、臥床休養を用い、毎日午前10時から16時の間に1時間程度の臥床休養時間を設定した。なお、臥床休養時間は本人の希望により設定し、施設のスケジュール及び研究対象者の生活スケジュールのいずれにも支障のない時間とした。臥床休養は、ベースラインから4週間、対象施設の看護師の協力を得て継続し、介入前後の臥床休養の効果を比較するために、臥床休養導入前後の2時点で比較を行った。 【結果・考察】対象者4名のうち、途中で退所となった1名を除く3名を分析対象とした。測定の結果、3名のうち2名は介入後に下肢周径が減少していた。一方、1名は下肢周径が増加していた。また自覚症状は介入後、冷感等で減少している者もいた。今後、事例ごとに下肢血流量や下肢皮膚表面温度も含めた分析をすすめ、下肢浮腫軽減に向けた臥床休養の有用性を検証していく。
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